わたがしとキス




「ももかに感謝だよ~!!だいすきももかっ!」

あたしをぎゅうって抱きしめる鈴。


「まさか勇人先輩に名前覚えられちゃうなんて...えへへ」

「よかったねぇ...」


教室に戻ってからも鈴は興奮しっぱなし!


「それにしても勇人先輩と廉先輩のツーショットを目の前で目撃...というか、会話できちゃうなんて!今日ツイてるぅっ」

「えっ廉先輩...?」



あれ...そこかで聞いたような。


「は?ももかっ今更!?廉先輩はこの間話してた人だよ!」

「えっうそ...それがさっきの?!」

「そうだってば~ももかウケる!」

「気づかなかった。」


しかも勇人先輩、ちゃんと廉先輩のこと紹介してくれたのにね...?


あたしってばどれだけ...緊張してたんだろう。



それにしてもあとから情報通の鈴に聞けば


2人は3年G組のツートップで

2人のいる教室にはいつも人が絶えないくらい人気で

うちのマンモス校の有名人らしい。



...改めて考えてみれば、そんな2人と話してたんだから

周りに人が集まるのも、ひそひそ言われるのももはや自然現象。


「で!ももかはどっち派?」

「え?!」

「勇人先輩と廉先輩!」

「えっとあたしは...」

「あたしは勇人先輩!顔は廉先輩のほうがカッコいいけど、明るくて話しやすいし廉先輩みたいにクールなのはちょっと怖い」


「あたしは...柏木先輩かな」

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