わたがしとキス
♪廉side♪
「無防備なヤツ...」
目の前のベッドで気持ちよさそうに眠る彼女にそうつぶやく。
いきなり俺に向かって倒れてきたのが
1時間くらい前。
その時顔を見ればそれは赤くて苦しそうで
ゆがめるその額には汗が滲んでいた。
まぁつまり軽い熱中症だったってわけで...。
俺は改めて眠るももかの顔を見つめた。
それにしてもコイツ....まぁまぁ可愛いじゃん。
何を思ったのか俺はその白い肌にそっと顔を近づけ
そのまま赤い唇にそっと自分の唇を重ねた。
ほんの一瞬だけ。
....って、何してんだよ俺。
「...廉っ?!ってあれ?!」
勢いよく保健室の引き戸が開いたかと思えば
勇人で、びっくりした顔で近づいてきた。
っあぶねーーー。
あと少しタイミングがずれてたら....
「廉大丈夫かよ?って心配しにきたけど、それより天使が寝てるってどういうことだ!?」
勇人はももかを起こさない小声で俺を険しい顔で見つめてきた。