わたがしとキス


そしてすぐ持ち主らしき人が現れた。


「ごめんな待たせて!ありがとう」


「いえ...」


そういってケータイを受け取ったのは


明るい茶髪に耳に光る無数のピアス...綺麗な顔。


正直ちょっと怖いその男の人の足元を見れば


上靴に青いライン....3年生だ。


笑顔は優しそうだけどなんだか怖い....にっ逃げよう!



「それじゃあ急いでるので...」


あたしは1歩踏み出してそう言った。


「あっ待って!」


けど....呼び止められてしまい振り向くと


ちょっと首を傾げてから先輩はまじまじとあたしの顔を見てきた。



「なんでしょう...か」

「もしかしてさ...ももかちゃん?」

「えっ?そうですけど...」


なななっなんで!あたしの名前を知ってるの!!!


「おーやっぱりか!!!」

「なんで知ってるんですか...?」


「いやいや噂で聞いてたからさ!」


へ....?う・わ・さ?


あたしは一気に鳥肌が立って小さく身震いした。



「そうですか...じゃあ急いでるので」


そして青ざめた顔でその場を後にする....


なんとなくケータイの裏に張られたピースマークのシールを思い出しながら。
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