わたがしとキス



♪廉side♪



「なぁ勇人、俺のケータイどこ?」

「は?ケータイ?....ってやべ!!」



放課後の教室、『帰ろうぜ♪』なんて暢気な


勇人に俺が険しい顔で問い詰めるとあからさまに焦ったように声を上げた。


「今日借りたとき、そのまま体育館に忘れてきた!!」」


「はぁ?お前ふざけ「いっ今すぐ!取りに行って参ります!!」

俺が話し終える前に教室を猛スピードで飛び出してく。



...ったく、まじでありえねぇ。


いくらロックかけてるとはいえこのマンモス校で


ケータイ落とすって何を意味しているかアイツは知らないだろ。



しばらくすると行きとは違ってニヤニヤした優斗が戻ってきた。




「なにお前にやけてんのキモイ」


そう言って勇人の手からケータイを奪うもまだにやけてる。


「いや...廉聞いてくれよ」


それに今にも消え入りそうな声。



「なに」

「まさかの廉のケータイ拾ってくれたのがももかちゃんだったんだよ!!」

...ももか?

「だれそれ」


興奮しながら「知らねぇの?」なんて驚く勇人を横目に


教室を出て歩き出す。
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