青春ブレイク
プロローグ
男というのは、おもしろいことに二種類しか存在しない。
1つはルックスも頭もよく、おまけにそういうやつほど『モテる』という不平等的レアスキルを持っているため、彼女をつくり、バラ色というのがまさにピッタリはまるような素晴らしい青春をフィーバーし、青春の勝ち組となる男。
まあ現実そううまくいかないわけで。そんなやつ、多分一握りもいない。はずだ。
だいたいは、ルックスもまあまあ、頭もまあまあ、おまけに女子はモテスキル野郎(前者)に取られて何も出来ず、まさに平凡という義務を全うし、青春の幕を静かにおろす、青春の負け組。
そう、恋愛とは一握りの勝ち組が手にする栄光、まさに男子高校生専用国民栄誉賞なのだ。
初期微動継続時間より長く非常に分かりにくい単語を表した後では言いにくいのだが、俺は後者の人間だ。
しかしまあ、やはり青春、などというと、少しは憧れる。そりゃそうだろう、男だからな。
でも俺は青春が巡る勝ち組にはなれないのだ。理由はまあ多々あるが、俺の青春とは恋愛ではない。
俺から少年の俺に言うことがあるとすれば、少年、青春を間違えるなよ。
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