【短】流星☆BOY〜星に願いを〜
オリオンの絆
「申し訳ないけど新しい部屋はないから、リュウセイと一緒ね?…ええっと……」
あたしが彼の名前を思い出そうとしたときだ。
「ベテルギウス。…ベティ、でいい」
ふわふわと揺れる金色の髪は、わが家のシャンプーの香りがした。
嬉しそうに布団を用意しているリュウセイは、いつもどおりに戻っていて拍子抜けしてしまった。
「僕の枕は、すっごいふかふかなんだよ!」
ニコニコと笑うリュウセイを見つめる彼。
相槌を打つわけでもなく、ただ黙って手にしている貸した父のパジャマを広げていた。
あの後、タイミングよく夕飯に呼ばれたあたしたち。
リュウセイにはいつもどおりにしてもらって、父と母をなんとか丸め込めばいい。
「彼、一人暮らしをしてたんだけど、先日そのお部屋が火事にあってなくなってしまったみたいなの」
あたしのこの一言にクラっとくるのは父。
「…そうか、大変だったな」
こういう苦労話に弱いのは、すべて計算済み。
もう一押しが必要になる。
「友達の家を転々としていたそうなの…。ご両親もずいぶん前になくされてるそうで……」
手を止めて、ふと視線を落とす。
もちろん、嘘八百。
ここで隣で一連の流れをみていたベティの足を、テーブルの下でカツンと蹴る。
くいっと顎でさすと、ベティは少し引きつった笑顔を浮かべる。
「お、お願いします……。お母さん」
あたしが彼の名前を思い出そうとしたときだ。
「ベテルギウス。…ベティ、でいい」
ふわふわと揺れる金色の髪は、わが家のシャンプーの香りがした。
嬉しそうに布団を用意しているリュウセイは、いつもどおりに戻っていて拍子抜けしてしまった。
「僕の枕は、すっごいふかふかなんだよ!」
ニコニコと笑うリュウセイを見つめる彼。
相槌を打つわけでもなく、ただ黙って手にしている貸した父のパジャマを広げていた。
あの後、タイミングよく夕飯に呼ばれたあたしたち。
リュウセイにはいつもどおりにしてもらって、父と母をなんとか丸め込めばいい。
「彼、一人暮らしをしてたんだけど、先日そのお部屋が火事にあってなくなってしまったみたいなの」
あたしのこの一言にクラっとくるのは父。
「…そうか、大変だったな」
こういう苦労話に弱いのは、すべて計算済み。
もう一押しが必要になる。
「友達の家を転々としていたそうなの…。ご両親もずいぶん前になくされてるそうで……」
手を止めて、ふと視線を落とす。
もちろん、嘘八百。
ここで隣で一連の流れをみていたベティの足を、テーブルの下でカツンと蹴る。
くいっと顎でさすと、ベティは少し引きつった笑顔を浮かべる。
「お、お願いします……。お母さん」