【短】流星☆BOY〜星に願いを〜
 顎を引いて、長い前髪の間からか弱い瞳をちらつかせる。

それだけでカワイイもの好きの母はイチコロだ。


「いいのよ、いいのよ。落ち着くまでずっとうちにいてちょうだい?」


 キレイな顔立ちの彼を、母が気に入らないわけがなかった。

 リュウセイはすごく小さくて、ようやくぐんぐん背が伸びてきたのに比べ、彼はあたしの身長をとっくに越している。

 本当に不思議な気分だった。


そんなあたしは扉に背中を預けたまま、対称的な二人の様子を見ていた。


「仕事はどう?」

「天立騎士団といっても、まだジュニアクラスだ」

「でもすごいよ!やっぱりベティは僕の自慢の友達だよ」


 よくわからないけれど楽しそうにリュウセイが笑うから、すこしほっとした。

だけど割ってはいるように、あたしは兼ねてからの疑問を口にした。


「ねえ、キシダンってなぁに?」

 聞きなれない単語に首をかしげる。


「王家に使える護衛隊だ。俺の場合は、まだこういった公務の手伝いくらいだが」


 面倒そうだけど、きちんと答えてくれたベティ。

当然、あたしはひっかかる。


「王家って……、あなたたちには王様でもいるってこと?」

 きょとんとしたベティは、まじまじとリュウセイを見つめる。

あたしには、なにがなんだかさっぱりだった。


「なんだ、なにも話していないのか」

「ベティ!…まだ言わないで!」

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