【短】流星☆BOY〜星に願いを〜
「いってきまーすっ」

 無邪気に手をふるリュウセイに、目を擦りながらついていく。

「…いってきます…」


 ベティが特に反応もせず、ただあたしたちを見送るのが本当に不思議な感覚だった。

もっと笑ったり、寂しそうに見送ればいいのに。


…なんて、動かない脳みそで考えてしまった。



 あれからようやく眠れたのは、目覚まし時計がなる二時間前だった。

寝たりないけれど、あたしは唯一といってもいい取り柄でもある勉強を怠れない。


手の甲に残った傷は小さいからあまり目立たないけれど、気付いたらものすごく気になる。


どうにか紛らわせる方法はないかと考え込んでいたときだ。


「ヒメリ?」

 はっと我にかえると、すこし身を屈めたリュウセイがすぐそこまでいた。

純粋で、まっすぐな瞳があたしをとらえた。


「な、なんでも……!」

 いつも近すぎるし、リュウセイの瞳はヒキョウだ。

ぱっと顔をそらせようとしたけど、リュウセイの向こうにあるコンビニに並んでる雑誌があたしの目に焼きついた。


 そこには『シンプル×カワイイ自分流ブレスレット』と描かれた女性誌。

表紙にはデカデカと手作りという文字が、一瞬あたしを固まらせる。


…でも、この傷を紛らわすにはいい方法なのかもしれない。


「ちょっと待ってて!」


 慌てて学校前にあるコンビニに駆け込んでいた。

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