【短】流星☆BOY〜星に願いを〜
人に囲まれて動けないのをいいことに、雑誌を引っ張り出す。
ちょうど頁の中央には、少し膨らんだ紙袋がくっついている。
初心者用のブレスレットキットと書かれており、テグスと小さなビーズが何種類かセットになっていた。
手先が不器用なあたしは真剣に雑誌の文字を追いかけていたから、目の前に現れた人影に全然気づかなかった。
「実はカワイイもの好き?」
ふっと落ちた影と声に肩がビクンと震えた。
バタバタと机の上に広げた雑誌を隠すように上半身で覆う。
そんなあたしの様子を見てクスクスと笑うのは、先ほどの白河さん。
まだ来ていない目の前の席の住人に無許可で椅子に腰掛けて、冷や汗ダラダラのあたしを頬杖をついて見つめてくる。
「別に恥ずかしいモノじゃないでしょ?」
トモダチって、どうやってできるのか忘れてしまった。
だけど、彼女はあれから遠慮しない。
それがいいのか悪いのかは別として、心中を探られるているようであたしはなんとなく居心地が悪いのだ。
「……に、似合わないでしょ…」
放っておいてほしい、といわんばかりに思いっきり目をそらす。
すると白河さんは更にツボにはまったように笑い出す。
「あははっ、橘さんってそういうの気にするんだ?」
彼女はナニが楽しいのかわからないけど、目じりに涙をためるほど笑っている。
まったく、失礼ね!
睨みを利かせようと顔をあげたときだった。
「どれどれ~、あたしにも見せてよ」
隠しきれていない雑誌が強引に引っ張られ、あたしは思わず手を離してしまった。
肩までの髪を時折耳にかけながら雑誌を読み込んでいく。
そんな姿に、少しだけ胸が温かくもあった。
ちょうど頁の中央には、少し膨らんだ紙袋がくっついている。
初心者用のブレスレットキットと書かれており、テグスと小さなビーズが何種類かセットになっていた。
手先が不器用なあたしは真剣に雑誌の文字を追いかけていたから、目の前に現れた人影に全然気づかなかった。
「実はカワイイもの好き?」
ふっと落ちた影と声に肩がビクンと震えた。
バタバタと机の上に広げた雑誌を隠すように上半身で覆う。
そんなあたしの様子を見てクスクスと笑うのは、先ほどの白河さん。
まだ来ていない目の前の席の住人に無許可で椅子に腰掛けて、冷や汗ダラダラのあたしを頬杖をついて見つめてくる。
「別に恥ずかしいモノじゃないでしょ?」
トモダチって、どうやってできるのか忘れてしまった。
だけど、彼女はあれから遠慮しない。
それがいいのか悪いのかは別として、心中を探られるているようであたしはなんとなく居心地が悪いのだ。
「……に、似合わないでしょ…」
放っておいてほしい、といわんばかりに思いっきり目をそらす。
すると白河さんは更にツボにはまったように笑い出す。
「あははっ、橘さんってそういうの気にするんだ?」
彼女はナニが楽しいのかわからないけど、目じりに涙をためるほど笑っている。
まったく、失礼ね!
睨みを利かせようと顔をあげたときだった。
「どれどれ~、あたしにも見せてよ」
隠しきれていない雑誌が強引に引っ張られ、あたしは思わず手を離してしまった。
肩までの髪を時折耳にかけながら雑誌を読み込んでいく。
そんな姿に、少しだけ胸が温かくもあった。