【短】流星☆BOY〜星に願いを〜
「なんであたしに一番に会いにこなかったのよ!」

 腰に手を当てて、完全に怒っているとアピールしてみる。


 そうよ、あの言葉を信じてあたしは待ってた。

それこそ夜も眠れないほど。


 それなのに……っ!


「だ、だから昨日もいったように、転送中にリゲルが抜け出して…っ」

 ズンズンと詰め寄るあたしに後ずさりをしてる。

だけど、退くわけにはいかない。


 …だって。



「どれだけあたしが……っ」


 リュウセイへの気持ちに気づいて、会えないことに苛立って…悲しんで。

それでも、やっと会えたことに嬉しくて。


 ずっといえなかった気持ちが、代わりにじわじわと目頭を熱くさせた。


「リュウセイは、やっぱりなんにもわかってない!」


 リュウセイにだって事情があった。

なによりも、それを後押しをしたのはほかでもない、あたしなのだ。


だからといって、頭では解っていても納得できるほど、あたし自身の気持ちを割り切れていない。



「リュウセイなんか…っ!」


 熱い涙は滴り、あたしの冷静さを奪い取るだけ。

うまくいかない現実に八つ当たりしたって、なにも始まるわけがないのに……。






「うん、ごめんね」



 言葉に詰まったあたしを、リュウセイは温かい腕でそっと抱きしめた。


 悔しいくらい優しくて、痛いほど切ない。

ずっと、ほしかった声だから。


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