GET!~アイツを振り向かせたい気持ちは120%~
「誰!?教えてよー!」
「言わねー」
「ケチ!」
眉を八の字にして不機嫌な顔になる城薗。言ったらそれ……告白じゃん。
「そっかー。野球部のエースにも好きな人がいるのか。みんな知ったら驚くね、こりゃビッグニュースだ!」
イヒヒと笑って、広める気で張り切ってる城薗。でもな、お前くらいだよ。俺の好きな奴に気づいてないの。お前の友達でさえも気づいてるのに。
「知ってる奴は知ってるから、広めても無駄」
「え!?知ってる人いるの?だったら言っても反応薄いじゃん。言うのやーめた!」
おうおう、それでいいよ。
そして、前方から来る野村達の元へ駆け出した城薗。その小さくなっていく後ろ姿を見つめながら思う。
そうやって、准のところにも一目散に走っていくよな。俺んとこには、嫌な顔して大股でズカズカとしか来ねーのにさ。
それでも、お前の告白を邪魔したいって思う俺がいる。
お前がフラれればいいのにって、願ってしまう俺がいる。
サイテーだよな、俺。