GET!~アイツを振り向かせたい気持ちは120%~
「でも、快二は城薗さんが来てくれて嬉しいだろ?」
「…………」
そう、コイツは俺が城薗を好きなことを知ってる。それも応援してくれる模様で、嬉しいんだけど内心複雑な気持ちだ。
好きな奴の好きな奴が大事な友達。そいつはその想いに気づいていない。
俺だけが知っている三角関係。
「よーし、休憩終わり!練習始めるぞ!」
キャプテンの一声で練習が再開した。俺の恋の悩みは、一旦頭の片隅へ置くことにした。
「お疲れっした!」
先輩達に挨拶をして部室を後にした俺と准は、駅へと向かう。
「今日も疲れたな」
「あぁ。腹減って何度も腹鳴ったし」
いつものように、街灯が灯る歩道を歩きながら言葉を交わす。
「あの、さ」
俺はぎこちなく言葉を発する。
「ん?どうした、快二」
キョトンとして俺の顔を見る准。
「その、お前はいねーの?好きな奴」
「へ?俺?」
「お、おう」
少しの沈黙。聞こえるのは俺達の足音と車道を通る車の音。