GET!~アイツを振り向かせたい気持ちは120%~
「お前がいると、何かしらハプニングが起こりそうなんだけど」
「ちょっと、快二!?」
いつものように快二と言い合っていた。
そして、教室が見えてきた頃だった。
「城薗さんっ」
背後から志摩の声が聞こえたと同時に、左手首を握られていた。ゆっくり振り返ると、息を切らした志摩があたしを見ていた。左手首を握っているのも……志摩だった。
「やっと見つけた。はぁっはぁっ……今時間いい?」
「あ、い、今からクラスの出し物で……」
「し、城薗さんが、逃げない時間帯はいつ?もうさ、毎日探しても逃げられてばっかりで、なかなか捕まえらんなかったんだよ」
志摩が一生懸命あたしに向き合ってくれようとしていたのに、あたしは……。
「行って来いよ」
すると、快二が言葉を発した。
「上手く誤魔化しとくから、行ってこい」
そう言って、先にクラスへと足を進めた快二。