GET!~アイツを振り向かせたい気持ちは120%~



城薗の気持ちなんて丸見えだったけど、そんな彼女の気持ちには気づいていなかった准。


『ありがとう』


准にチョコを受け取ってもらえた城薗は、すんげーニッコニコして廊下を歩いていたから、そんな城薗に、ちょっかいを出した気がする。


だけど、今年は違う。


城薗と准の関係が、去年とは少し違うんだ。


「俺ももらえんのかなぁ」


廊下に出て、ぼんやりと窓の外を眺めて呟いた。


貰えないのは嫌だけど、でも准のついでにってもらうのも、それはそれで嫌だ。



ついでに、じゃなくて俺に、を望んでるんだ。






「あっ、快二」


すると、准の声が聞こえた。准が駆け足で俺の元に来る。


「悪い!今日英語ある?教科書忘れたから借りたいんだけどさ」


「おう、ちょっと待ってて」


すぐに教室に戻り、引き出しの中を確認する。しかし、英語の教科書は見当たらない。


あれ、今日英語なかったっけ?


「なぁ、城薗。今日英語あったっけ?」


城薗達の会話をお邪魔して声をかける。


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