GET!~アイツを振り向かせたい気持ちは120%~
『快二くん、奈央に告白しないの?』
『するかよ』
昼に古田の問いに、見栄を張って答えた言葉。
だけど、本音は違った。
アイツに気持ちを伝えたくて、
アイツに、城薗に振り向いてほしくて、
もう、見守り役なんてごめんなんだ。
『志摩がカッコ良すぎるんだけど~』
そんなノロケを聞くために傍にいた訳じゃない。
『ねぇ、志摩が今こっち見たよ!』
他の奴のことを嬉しそうに話す城薗が見たかった訳じゃない。
ただ、城薗の笑顔を守りたかった。
アイツが泣く姿なんて絶対に見たくないから、アイツの傍にいてとびきりの笑顔にしてやりたかった。
ただ、城薗に振り向いてほしかった。
これだけ近くにいても、俺の気持ちに気づかないバカだけど、アイツに俺のことを意識して欲しかった。
城薗が好きなんだ。
傍観者の殻なんて破って、見守りなんて弱気な発言をやめて、アイツに伝えたいんだ。