GET!~アイツを振り向かせたい気持ちは120%~
「いや、やっぱり言うっ」
准が立ち止まる。俺は自然と准に体を向けた。すると、准は肩に力を入れて大きく息を吸った。
「あんなにお前のこと応援するって言ったのにごめん!城薗さんのこと……好きになってごめん!」
准は何も悪くない。悪いことなんてしていない。
ただ、城薗のことが好きになった。
ただ、同じ女を好きになってしまった。
ただ、っていう偶然がかぶってしまっただけだった。
「好きなのかよ。ふざけんなよ」
悔しかったのは、同じ女を好きになってしまったから。
よりによって、相手が准だから。
「あーあ。俺達、今日からライバルだな」
准と恋のライバルになる『いつか』が、ついに来てしまった。
「でも、1つだけ言っていい?」
「何だよ、ライバルめ」
准の言葉に冗談を交えて返す。
「俺、城薗さんからチョコ貰えてねぇや」