GET!~アイツを振り向かせたい気持ちは120%~
その中でも、我こそは!と有志ある者は、希望で10キロのマラソンコースに出ることができる。
力試しという奴もいれば、女にいいところを見せたいからという理由の奴もいる。
俺も去年に続き、今年も出る予定だが……准が出ることは予想外だった。
准は運動オンチだ。走るのなんて練習以外は、基本逃げる奴だ。
そんな准が、マラソンコースに出るって言ってる。
「もし俺が、50位以内に入ったら……俺、城薗さんに気持ち伝えるから」
約300人いる中で、准にとっての50位は、正直厳しいと思う。
でも、コイツが本気なら、この話乗った。
「いーよ。楽しみにしてっから」
俺だって負けねぇ。
城薗のこと、簡単に諦めらんないからさ。
アイツのこと、好きだから。
「あ、電車来たぞ」
電車が運んできた風が、俺達の短い髪の毛をふわりと浮かせる。
准との戦いだ。
負けたくない。
絶対に、負けるもんか。