GET!~アイツを振り向かせたい気持ちは120%~
「やっば!!」
ベッドから飛び起きて洗面台に向かった。
「顔ヤバイよー。ブッサイク過ぎる」
顔を洗っていつものようにケアをして、自分の部屋にダッシュして制服に着替える。
今日は髪の毛に何も手は加えない。ていうか、そんな気力も時間もない!
「行ってくるね」
「あっ、奈央お弁当っ」
玄関で靴を履き替えていると、お母さんが小走りであたしの元へ来た。手渡されたお弁当+おにぎり2個。
「何があったか知らないけど、気が向いたら聞かせてね」
お母さんが優しく微笑む。
昨日無言で帰ってきたあたしに、いつもみたいにおかえりって言ってくれた。その言葉に泣きそうになったんだ。
「……ありがと。行ってきます」
家を出てダッシュして駅へ向かう。
いつもの時間帯の電車には間に合わない。だから、志摩と快二に会うことはないと思う。それだけで少し、気が楽になった。