GET!~アイツを振り向かせたい気持ちは120%~
野球部は練習が終わりストレッチ中。全員で片付けをしているけど、志摩はいつも最後に部室へ行くはずだから、その時を狙って声をかけるつもりなのだ。
「集合!」
片付け後、監督の声かけで輪になる部員。数分後に解散の合図で部員は部室へ。志摩は監督と何かを話している様子。と、監督がグラウンドを出た=志摩はグラウンドに1人!
今がチャンスだ!
あたしは駆け足で、志摩のいるグラウンド内のベンチへ向かった。
「しっ、志摩!」
あたしの呼び掛けにハッとした志摩は、キョロキョロ辺りを見渡す。
「あっ、城薗さん」
あたしに気づいたジャージ姿の志摩は、あたしを見て笑顔を溢す。
……キュン。
あたしの心臓は一気に女の子モードになった。
「城薗さんも部活終わったところ?」
「うん。それでね、志摩にこれ渡そうと思って」
そう言って志摩に渡したのは、成功した焼きドーナツ。
「嫌いじゃなかったら食べてっ」
ちょっと強めに志摩に押しやる。