GET!~アイツを振り向かせたい気持ちは120%~
改札を抜けて停車していた電車へ乗る。いつもと違う時間帯の電車だから、スーツ姿の大人や制服姿の学生はあまりいない。あたしは空いている席に腰を下ろした。
私の行き先は学校。実は今日、野球部の練習試合が学校であるんだ。昨日快二から聞いて、絶対見に行く宣言をしたの。
休日の日も志摩に会える。そう思うとニヤけて、昨日はなかなか寝付けなかったんだ。
野球部はうちの地区では結構強い方らしく、土日の休みもあまりない。
だから、なかなか遊びにも誘えなかったし、これは志摩の姿を見れるいいチャンスだし、行かないわけにはいかんのです!
そして、電車から降りて改札を抜ける。すると、駅の入り口に見覚えのある、ボブヘアの女の子を発見し、声をかけた。
「雪ーっ」
雪がくるっと振り返り、あたしに気づくとパアッと笑顔になり、両手を広げてあたしの元へ駆けてきた。
「よかった~。奈央ちゃんのことだから、寝坊しないか心配だったんだよ」
「志摩のこととなれば話は別!早起きできたっ」