GET!~アイツを振り向かせたい気持ちは120%~
「今から帰んの?」
そして、志摩が尋ねる。
「うん」
「快二と3人で帰んね?」
か、快二も?志摩と2人だったらいいけど……快二がいるとなんとなく気まずい。
「か、花蓮も部活終わる頃だから、花蓮と一緒に帰るよ」
「そっかー、残念」
え?今残念って言った?
「じゃ、また一緒帰ろうな?」
「へ?う、うん」
志摩が残念って言った、よね?うわ、惜しいことしちゃったよ、あたし。
今日はやっぱり一緒に帰るなんて言うのは恥ずかしいから、次こそは一緒に帰るって言おう。
「城薗さんっ」
志摩に背を向けて歩いていると、志摩の声が聞こえた。あたしはすぐさま振り返る。
「気をつけて帰れよ!」
やっぱり、志摩が好きだと思った。
好きだと伝えたいと思った。
「うんっ。あーりーがーとっ!」
志摩に、振り向いて欲しいと思った。
その日は花蓮と花蓮の彼氏と帰らせていただいた。2人にはあたしの恋バナを一方的に話続けたのであった。