GET!~アイツを振り向かせたい気持ちは120%~
「お疲れ」
保健の先生がいるテントへ向 かいながら 、准へ言った。
「途中まではよかったんだけどなぁ。力みすぎちゃった」
へへっと笑う准。
「やっぱり俺はこういうのは向いてないな。残念だけど、賭けは俺の負けだね」
『俺が50位以内に入ったら、城薗さんに告白する』
准が初めて、口にした賭け事だった。
『好きになってごめん!』
遠慮ばっかりするコイツが、初めて隣にならんでライバルになった。
もう、賭けとかそういうのはいらない。
「准……バカじゃん、お前」
「え?」
バカなのは俺だ。
「お前と城薗、両思いなのに何してんだよ。たしかにお前は賭けで負けたけど、だから何だよ。そんなんで城薗を好きな気持ちもなくなるわけ?」
准の気持ちも、もう戻れないところまできているはず。
ただ、一歩進む勇気を俺が奪ってしまっているんだ。
「……いいよ」
「え?」
「城薗に、好きって伝えろよ」
救護用のテントに着いた。保健の先生が准の傷を見て、救急箱のふたを開けて必要なものを取り出す。