GET!~アイツを振り向かせたい気持ちは120%~
志摩からの呼び出しに浮かれる反面、怪二もいるし何の用事なのか全く検討がつかずモヤモヤする。
「志摩の奴、呼び出しておいて来てないパターン?」
「だな。そこに座っとくか」
怪二と重いため息をついたあと、裏門にある石段へ腰を下ろした。
「なぁ、城薗」
「ん?」
「俺の彼女になんない?」
「は!?」
な、な、何言い出すんだよ、コイツ!
「これがもう、ラストチャンスかなって思って」
「え?」
「こんなモテ男と付き合えるなんて、今後無いチャンスだと思うけどな?」
「アンタ何言ってんの?あたしにとってのいい物件は……」
「お待たせ!」
そこへ志摩の登場。
あっぶない。あたしの言葉の続きを聞かれなくてよかった。
──────あたしにとってのいい物件は、志摩だから!
言わなかった言葉を飲み込んで、志摩へ茶々をいれる。
「志摩おっそーい!」
「悪い!急いでたんだけど、階段でずっこけた!」
そう言う志摩の額と両膝、他諸々には赤く滲む傷が痛みを示していた。