GET!~アイツを振り向かせたい気持ちは120%~
「早く保健室行ってきなよ。てか、行くよっ」
志摩の手を引っ張って、保健室へ向かおうとしたあたし。だけど、力強い腕に右手を引っぱられて、あたしは動けなくなった。
「今は行かねぇ」
「傷がひどくなったらどうすんの!」
「後で行くから、な?」
右手を引っ張ったのは、両眉をハの字にして笑う志摩だった。
志摩……意外と力あるんだ……。
「はいはい。とりあえず、准も城薗も座れって」
怪二に促されて、あたし達は渋々石段へ腰を下ろす。
「で、准はなんで俺達を呼び出したわけ?」
率直に聞く怪二。
「うん、ワケを話しますね」
そう言った志摩は、コホンと咳払いをした。
「俺、怪二のことすっげー大事なんだ!」
イキナリ、そんなことを言い出した志摩。
「……は?」
「志摩、何言ってんの?」
あたしと怪二は苦笑い。
「2人ともそんな笑ってんなよー。俺、結構マジで話してんだけど」
そう言って、急に真面目な顔をする志摩。
「中学の時からさ、怪二にいっぱい助けてもらって、そのお陰で野球を嫌いにならずに済んだんだよ」