GET!~アイツを振り向かせたい気持ちは120%~
体育座りのまま、心地よさそうな顔をして目を閉じた雪。土日はお昼まで寝てるって言ってたっけ?あたしのために早起きしてくれたんだね。
ありがとう、雪。
持ってきていた膝掛けを雪にかけた後、あたしの視線は野球部へ向けられた。パスの練習をしたり、監督コーチと話し込む部員が……と志摩発見!
く~ジャージ姿に野球帽といつもと変わらないけど、袖を捲ってる姿もカッコイイ。何かメモを取ってる様子だし、少し緊張しているようにも見える。
練習試合でもやっぱり緊張しちゃうよね。あたしも中学では……
ゴンッ
「あだっ」
誰かの拳があたしの頭に当たった。すぐさま振り返ると、ユニフォーム姿の快二が立っていた。
「本当に来たんだな」
「当たり前だよ。それより今ゲンコツしたでしょ?痛かったんだけど!」
「そんな顔すんな。せっかくつくってきた顔が崩れるぞ」
快二に言われてハッとする。うっ、それはあかん!すぐさま深呼吸をして、怒りを静める。