GET!~アイツを振り向かせたい気持ちは120%~



「ちょっと怪二ー、邪魔しないでよね?」


「周りからするといいメーワクだっての」


そう言いながらも、怪二は笑っていた。


志摩と付き合うことになった日に、怪二には報告した。


【やっとかよ。よかったじゃん】


意外と、素直に喜んでくれた怪二。あたしは嬉しくて、一方的にノロケ話をしたら即ウザがられたけどね。


「あっ。電車来たよっ」


そして、3人で電車に乗り込んだ。


目の前に並ぶ志摩と怪二の背中。2人はあたしのことなんて放置して、野球の話に花を咲かせている。


喧嘩友達だと思っていた怪二から、告白されて怪二のことを意識しちゃったこともあったな。


でも、やっぱり怪二は男友達として大事な人だ。


そんな怪二と笑いながら話す志摩とは、両思いになれて、付き合うことになった。


鈍感な志摩だし振り向いてくれる可能性は低かったけど、アタック……諦めなくてよかった。







放課後。


「志摩~!!」


夕焼け色に染まる空の下。野球部の練習を見ながら、グラウンドに近い石段にて、好きな人の名前を叫んでいるあたし。


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