GET!~アイツを振り向かせたい気持ちは120%~
「ねぇ、奈央ちゃん」
「ん?」
「後ろ見て」
雪があたしの後ろに視線を送る。あたしはふと後ろを振り返った。
「えっ……志摩」
なんと、志摩が来ていたのだ。
「城薗さんの声援デカ過ぎだって」
苦笑しながら近づいてくる、ジャージ姿の志摩。
「し、志摩に聞こえるように応援したんだから、デカイ声に決まってんじゃんっ」
どうしても照れ隠しで素直になれなくなるのがあたしだ。
「奈央ちゃん、あたし帰るね?」
そう言って、雪がニコニコしながら、あたしと志摩を2人きりにしてくれた。
「し、志摩、休憩中でしょ?ココにいる場合じゃないっしょ」
来てくれたことは嬉しい。だけど、せっかく休める時間だし……休憩はきちんと取ってほしいから。
「あんなでっかい声援もらったし、城薗さんと話したくてさ」
ズキュゥゥゥゥン
だめ。
志摩、その言葉だけでも泣きそう。
「うぅっ、志摩ぁ~」
「えっ、なんでそんな泣きそうなんだよ」
「志摩が悪いんだよ、バカぁっ」