GET!~アイツを振り向かせたい気持ちは120%~
周りの景色が今までとの景色と違って、キラキラ輝いて見えるのは、志摩のせい。
たった一言で泣きそうなくらい嬉しいのは、志摩のせい。
「な、泣くなよ」
「まだ泣いてないしっ」
そう言って、ゴシゴシっと顔を拭くあたし。
「ぶはっ、顔こすれて赤くなってるし」
志摩が笑いながらあたしの顔を撫でる。正確には、擦りすぎて赤くなっているところを触ってるだけ、かな?
「ブサイクんなったね」
「ちょっ!?志摩ヒドッ!」
彼女に向かってそんなこと言うなんて!
「嘘だよ。城薗さんといると本当飽きないなぁ」
その言葉で、一瞬にして志摩の言葉の虜になっちゃうあたし。
「それって好きだから?」
「んー、どうでしょう?」
「何、その焦らし!」
好きって言葉が聞きたいのに、なかなか簡単には言ってくれないみたいだ。
「あ、ごめん!もう戻るからっ」
じゃ、と片手を上げて石段をかけ上がった志摩。少し物足りないような気もするけど、志摩だし仕方ないっか。そう思っていると、志摩が石段で立ち止まって振り返った。