GET!~アイツを振り向かせたい気持ちは120%~



*准一side*


気づいたら、片思いをしていたんだ。


いつのまにか、目で追うようになってたんだ。


怪二の好きな人だって知って、思いは秘めたつもりだった。


でも、隠すことは難しくて、もう……好きじゃないって言えなくなっていた。


「志摩っ」


だけど、今、目の前で俺に向けられている城薗の笑顔は本物。


「ちょっと、聞いてるー?」


休み時間、廊下で俺と向かい合っているのは、ちょっと拗ねている城薗さん。そんな彼女に俺はごめん、と一言返す。


「土曜日のデートのことなんだけどさ?」


頬を膨らませて怒っていた顔とは一転し、ニコニコしながら話しかけてきた城薗さん。


そういえば、そんな話もしていた気が……ってあっ!


「ごめん!城薗さんっ」


「ん?」


「その日、部活になった」


「え!?」


「しかも、1日練」


「はぁっ!?」


こ、怖ぇ。


「それ決めたの誰!?キャプテン?監督!?」


「あ、いや、ミーティングでそうなったんだよ。ちょっと、気ぃ抜いてる奴もいるし、気合い入れ直そうってなって……」


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