GET!~アイツを振り向かせたい気持ちは120%~
「俺にも頑張れ、はないわけ?」
「え?」
「俺、一応ピッチャーでずっと試合に出てるわけ。マネージャーの応援もだけど、エースの応援もしろよな」
少しだけ不機嫌に見えたのは気のせい?志摩のことしか頭になかったから、快二のことは忘れてたよ。
「はいはい。せいぜい負けないように頑張ってね」
「超棒読みだな、お前」
「だって、快二の活躍は期待してないもん!」
「おい、お前それ結構傷つくぞ」
あ、たしかに今のは可哀想かもしれない。
「もー半分嘘だって。あんたのへたばる姿なんて見たくないから、その、頑張ってね」
「城薗、半分って……」
「おーい、野球部集合だぞー!」
監督からの集合がかかったと同時に、やべぇっと駆け出した快二。背番号1のユニフォームが小さくなっていく。
「あれがうちのエースだなんてねー」
ぼんやり呟きながら、ふと周りを見渡す。うわっ、ギャラリー増えてる!知らない制服の子がいるし、相手チームの学校の子かな?