GET!~アイツを振り向かせたい気持ちは120%~
「まーた今日も駆け込みかよ」
すると、いつものように茶化すような声が耳に届き、同時にデコピンをくらった。
「ちょっ、快二。痛いんだけど!」
高橋快二、同じ高校2年生で球児。快二は、高校に入って隣の席になった男友達だけど、いつもこうやって何かとつっかかってくるの!
「いつもそんなにバタバタしてさ、もうちょっと早く家出ろよな?」
「女の子は準備に時間がかかんのっ」
「誰が女の子だって?」
「快二くーん、あたしの愛のパンチほしいのかな?」
快二へ不敵な笑みを浮かべると、私と快二の隣で私達の会話に笑みをこぼす人物が目に入った。
「あ!志摩、おはよっ」
「おはよう。いつも2人は面白いな。いいコンビだよな」
志摩准一(しまじゅんいち)。快二とは中学からの友達。
「ちょっ、志摩。快二とコンビなんて嬉しくないー」
「おい!お前な、俺は野球部のエースだぞ?嬉しいと思え」
「思いません。むしろありがた迷惑」
「お前な~」