GET!~アイツを振り向かせたい気持ちは120%~
「いや~料理部の成果ってやつ?奈央ちゃんのすっごい美味しそう~」
「お母さんに手伝ってもらったから、そう見えるんだって。さ、食べ……」
言いながら、視界に志摩の姿が映ってハッとした。
「雪!ちょっと待っててっ。コレ志摩に渡してくる!」
紺色の小さめのカバンを持って、志摩の元へダッシュした。
少しだけど、志摩への差し入れを作ってきたんだ。食後のお供にと思ってクッキーを作ったの。
「しっ、志摩っ!」
立ち止まる志摩。と、その隣には快二の姿もあった。
「おー、城薗さん。練習試合見に来てくれてたの?」
「う、うん。用事とかなかったし」
アンタに会いたかったんだっての。
「あのさ、志摩」
「おっまえさー、ちゃんと応援してたか?全然応援届かねーっての。おかげでふりだしのままだぞ?」
志摩に話しかけているのに、横から快二が割り込んできた。
「そんなのあたしのせいにしないでよ。あたしはちゃんと応援してましたっ」