GET!~アイツを振り向かせたい気持ちは120%~



「いや~料理部の成果ってやつ?奈央ちゃんのすっごい美味しそう~」


「お母さんに手伝ってもらったから、そう見えるんだって。さ、食べ……」


言いながら、視界に志摩の姿が映ってハッとした。


「雪!ちょっと待っててっ。コレ志摩に渡してくる!」


紺色の小さめのカバンを持って、志摩の元へダッシュした。


少しだけど、志摩への差し入れを作ってきたんだ。食後のお供にと思ってクッキーを作ったの。


「しっ、志摩っ!」


立ち止まる志摩。と、その隣には快二の姿もあった。


「おー、城薗さん。練習試合見に来てくれてたの?」


「う、うん。用事とかなかったし」


アンタに会いたかったんだっての。


「あのさ、志摩」


「おっまえさー、ちゃんと応援してたか?全然応援届かねーっての。おかげでふりだしのままだぞ?」


志摩に話しかけているのに、横から快二が割り込んできた。


「そんなのあたしのせいにしないでよ。あたしはちゃんと応援してましたっ」


< 32 / 270 >

この作品をシェア

pagetop