GET!~アイツを振り向かせたい気持ちは120%~
「気合いが足りないんだよなー」
「どっちが!」
「ははっ」
快二と言い合っていると、志摩が笑った。
「もーそこへんにしろよ?ところで、俺に何か用だった?」
志摩の一言で、何をしに来たのかを思い出した。
「うん!志摩に用事あったの!コレっ」
そして、持っていた紺の小さなバッグを志摩に渡した。
「コレ、どうしたの?」
「さ、差し入れ!ほら、甘いもんも食べたら……その、元気になるかなって」
「お前なー、元気だけで野球やってんじゃねーんだっつーの」
もー、快二のやつ、いちいちうるさいなぁ。
いいじゃん、差し入れを渡すくらい。
いいじゃん、好きな人に頑張ってほしいんだもん。
「ありがとう。すっげー嬉しい」
この言葉が欲しかった。
志摩の笑顔が欲しかった。
「みんなも喜ぶよ。サンキュー!」
……ん?んん?今、何かおかしかったような?
快二のやつも肩震わせて笑ってるし、もしかして……野球部に持ってきたと思われた!?