GET!~アイツを振り向かせたい気持ちは120%~
お前にいいとこ見せてやる。side*快二
『アンタのへたばる姿なんて見たくないから、頑張ってね』
ついで、みたいな感じで城薗に言われた言葉だけど、頑張ってやろうって思って挑んだ練習試合。
相手は聖堂。なっかなか手強い野球部で、何度も甲子園出場を決める強豪校。練習試合を組めたことさえ奇跡なくらいだ。
その野球部との練習試合は、思っていたよりも打たせず点も取らせず、互いに粘っても変化のないまま午前は終わった。
「やっぱり強いな、聖堂」
部員と飯を食っている中、准が呟いた。
「それでも、快二もみんなも点取らせてねーし、なかなか面白いゲームだと思うよ」
一番試合に近い場所で試合を見ている准が言うんだ。そう言われると、まだ頑張れるって思う。
准の、マネージャーの言葉は励みになる。
胸の中で准に感謝した時、准の手元に目がいった。
「んー美味しい。あ、快二も食った?」
「まだ。くれ」
そう言って、准から受け取ったのは、城薗の手作りのクッキー。見た目はまぁまぁじゃん。なんて思いながら食ったクッキーの味は……美味かった。