GET!~アイツを振り向かせたい気持ちは120%~
「あーその……」
言えねぇ。
実は、一度誘って断られてるなんて。
「そうだよ!快二誘ってみろよっ」
先輩に便乗して言う准。もちろん、断られたことは准も知らない。
それはある休み時間のことだった。
花火大会のチラシを持っていた城薗に、俺は勇気を振り絞って『花火大会、一緒に行ってやってもいーぞ』と、つい上から目線で言ってしまったんだ。
案の定、城薗の応えはノー。『アンタなんかと花火見たって、言い合いになって楽しくなさそう!』とまで言われた。
さすがにその時はヘコんだよ。
「いや、俺はいいよ」
去年も誘おうと思ったけど、勇気が出なかったから、今年こそは!と思って誘ったのに……あんの城薗め。
「じゃあ、俺が誘おっか?」
「じ、准が?」
「おう。みんなで行こうぜって」
「いや、俺達だけで行こう」
准の言葉を素早く遮る。コイツが誘ったら、城薗は100%オッケーする。それはそれで……悔しい。