GET!~アイツを振り向かせたい気持ちは120%~
ワザと城薗が答えられないような質問をしたのは、俺。だって、城薗の好きな准が目の前にいるんだ。言えるわけねーだろ。
「い、一生懸命な奴だよ」
小さな声でそう言った城薗は、さらに続けて口を開く。
「そんなに目立たない存在でも、へなちょこで頼りなくても、かっこよくなくて弱っちぃ奴でも……一生懸命頑張る人がいい」
聞いた俺がバカだった。
真っ赤な顔をした城薗が言っているのは……准のこと。
んだよ、その顔。見せんじゃねー。
「あっそー。ほら、早く帰るぞ」
「なに、反応それだけ!?」
「おー。つまんなかったし」
早足で先頭をきって歩く俺。その後ろから准と城薗の足音が聞こえる。
「つまんないとは何よー。あっ、電話だ。ちょっと待ってて」
ブツブツ言う城薗だが、電話が来たらしく、電話の主と話す声が聞こえてきた。
「なぁ、快二」
その隙に准が話しかけてきた。