GET!~アイツを振り向かせたい気持ちは120%~
「お前頑張れよ!城薗さんの好みのタイプ、お前もいけるぞっ」
ガッツポーズ付きでそう言った准。
……嘘つけ。
「何言ってんの?俺、城薗のタイプと真逆だっつーの」
それに、アイツのタイプはお前だっつーの。
「お待たせー!」
やっとのことで、みんなの元に帰り着いた俺達3人。俺のイカ焼きを買って戻るはずだったのに、城薗の元に野村から電話が来て、追加の買い出しを頼まれたのだ。
「いや~悪かったね。なんか食べたくなっちゃってさ~」
そう言って、城薗の手からかき氷を取る野村。他の奴等もフライドポテトなどなど、俺の財布を軽くしてくれたぜ。まぁ、あとで回収するけどな。
「ふふっ、美味しいね」
「あっ、奈央ちゃんのもちょうだ~い」
「こらっ、雪っ」
女子軍団が食いもんを分け合う姿を横目に、俺は石段に腰を下ろした。
ほっくほくだったイカ焼きは、少し冷めてしまっていた。くそー、コイツらのパシりさえなければ、温かいうちに食えたのに。