GET!~アイツを振り向かせたい気持ちは120%~



「ふふっ、冗談だよ」


「もー花蓮まで……」


「だって、奈央ちゃん可愛いんだもん。だからかいたくなっちゃうんだよ~。ね、花蓮ちゃん」


「雪の言う通り。ほら、愛しの彼が出てきたよ」


二人の言葉に納得しないままでも、視線は無意識にアイツの元へ向かう。


「ま~、顔はそこそこだよね」


「身長もマルね。性格も嫌いじゃないかな」


「でもあれだよね、頼りない!」


「うん。私的にも、絶対恋愛対象にはならないタイプね」


隣に座る雪と花蓮の口から、次々とボロが出てくる。


「ちょっと2人とも、あたしの好きな人の悪口言わないでよー」


「ごめんごめん」


「ついいつものクセで、志摩くんの分析しちゃった~」


皆様、今の雪の言葉を聞き逃していないだろうか。


雪の言う通り、あたしの好きな人は…………志摩なんだ。


志摩は野球部だけど、選手ではなくマネージャー。一生懸命にスコアボードに記録をとる姿も、選手と一緒になって筋トレをする姿も、今日もカッコいい。


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