GET!~アイツを振り向かせたい気持ちは120%~
あの花火大会以降、志摩と会うことはなかった。部活があって、グラウンドに野球部がいるのは分かったけど、志摩と話すことはなかった。
もちろん、連絡も取ってなくて……ていうか、連絡する勇気もなくてさ。
「ほら、何も用がないのに、連絡するのも悪いじゃん」
「はい、それ言い訳だと思いま~す」
あたしの言葉に、雪がたわし棒をマイク代わりにして答える。
「奈央ちゃん!」
「な、なに」
「志摩くんは鈍感なんでしょ?奈央ちゃんのアタックに、全然気づいていないんでしょ?」
「うん……まぁ」
いつも普通、だし。
「志摩くんのことだから、志摩くん狙いの子はいないと思うし、ライバルの情報も現在は入手してないよ」
うん、何気に傷つくよ、雪。
「で・も・ね?このままじゃ、志摩くんとの関係は永遠に平行線のままだよ。志摩くんの笑顔とやらに、1人でズッキュンバッキュンしてるだけだよ。それでいいの?」
平行線……か。