GET!~アイツを振り向かせたい気持ちは120%~
「奈央はさ、志摩くんの彼女になりたくないの?」
今度はトイレのタイルに、水を流している花蓮から言われた。
……志摩の彼女。
「そりゃ、なりたいよ」
誰よりも志摩の近くにいて、一緒に笑って、泣いて、たまには怒って仲直りして。
志摩の彼女になりたい。
だって、志摩のことが好きだもん。
「だったら、まだまだアタックしなきゃね」
花蓮がふっと笑う。雪もニカッと白い歯を見せて笑う。
そうだよね。まだ頑張んなきゃ。
志摩を振り向かせるためにも、志摩の彼女になるためにも。
「ねぇ、奈央」
花蓮に呼ばれて、花蓮へ顔を向けた瞬間。
ビシャッ
「…………え」
な、な、なんと、花蓮から顔面にホースで水をかけられた。
「ごめん。手が滑ったみたい」
なんて呑気に言う花蓮。
「な、何すんのよ花蓮っ」
あたしは水道の蛇口をひねり、大量に水を出すと、花蓮へ向けて水を飛ばす。