GET!~アイツを振り向かせたい気持ちは120%~



体育祭当日。


「うりゃーっ!」


あたしは戦っていた。騎馬戦という名の女の戦いに出場していた。


「取んないで!やーめーてー!ちょっ、引っ張んないでーっ!」


我を忘れ、騎馬に乗って、敵チームのハチマキを奪う騎馬戦。


この種目は女同士の戦いだけど、これまた恐ろしいのだ。


「うっしゃー!!」


男勝りな喜びでも気にしない。なぜなら、勝ったからだ。


「すごいよ!奈央ちゃんっ」


「男を越えてたよ」


戦いを終えてテントに戻ると、雪と花蓮が騎馬戦のコメント付きで、出迎えてくれた。


「どうしよ。女子力捨てちゃってたよー」


戦いが終わったらすぐにやってきた後悔。あたしは大きなため息を吐きながら、水分補給をする。


「お前、すっげー怖かったぞ」


そこへ、憎ったらしいアイツの声が聞こえた。


「真剣に戦っただけだもんね」


そう言いながらも気になるのは、快二の隣にいた志摩の存在。


志摩……あたしのことひいちゃったかな?


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