GET!~アイツを振り向かせたい気持ちは120%~



司会が次の選手のところへ移動しててよかった。 あたし今、最高にアホな顔してると思う。だって、志摩から褒められたんだよ。ニヤけるに決まってるじゃん。


「それにほら、俺女友達少ないし、女子とか言われてもなかなか出てこなくて。だからありがとうな!」


この言葉さえ聞かなければ、ね。


女友達、か。


ちょっとだけ、志摩へのドキドキが下がっちゃった。


「志摩くんと手繋げてよかったね~!」


テントに戻ると嬉しそうな雪と花蓮の姿があった。


「でも、志摩女友達が少ないから、あたしを選んだんだよ」


ヘコみながら、ペットボトルのお茶を口にする。


「なーに言ってんの。あのお題なら、そこらへんの女子を適当に連れていけばいいことでしょ?それなのに、わざわざ奈央ちゃんのところまで来てくれたんだよ?喜ばなきゃっ」


「そうね。志摩くんは正直だし、少数の女友達の中で、奈央をパッと思い付いたとしたら、それって嬉しいことじゃん?」


雪、花蓮……


< 92 / 270 >

この作品をシェア

pagetop