GET!~アイツを振り向かせたい気持ちは120%~



「お前プリント解いたの?」


「ほーら、誰かさんとは違って解きました!」


「おう、サンキュー」


「あっ、ちょっ、コラ!」


終わった自習プリントを見せびらかす城薗から、スッとプリントを取る。


「お前、何この字。きったねーな」


「あたしの字、可愛い系って言われるんだけど?ていうか、ブツブツ言うなら返してよっ」


「へいへーい。ちょい待てよ」


こういう言い合いでもいい。城薗と話す時間が増えるなら、毒を吐かれたって俺は嬉しい。


こんな気持ち、コイツは知らねぇだろうな。






「は?」


数日後。文化祭の準備に取りかかっていると、突然サッカー部の奴に言われた言葉を聞いて、持っていた板を落としそうになった。


「だから、段ボール足んないらしくてさ。でも、もう買い出し組は行ってるし、連絡しても荷物多いだろうからって、誰か店に取りに行けってさ」


チャンスだ。


チャンスが舞い降りた。


誰よりも先に手を上げた俺。





「それ、俺が行ってもいー?」


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