*片想い*
「それでさぁ~!
昨日も話盛り上がったんだよっ、
内容は、
【今の総理大臣について】!!」
最近、マコトにはメル友ができたらしい。
まぁ、そう珍しいことでもない。
「どうでもいいけど、
そのかたっくるしい内容はやめなよ…。」
「いや、けど本当に、
《白ウサギ》さんは話盛り上げるの上手いよ!!
1回、ヒロも話してみればいいのに…。
ーー紹介するよ?」
「ーーー結構です。」
その相手は《白ウサギ》さんと言うらしい。
こんな可愛い名前をつけるのだ。
たぶん、女性の方なんだろう。
私は、マコトの話をきっぱり断ると
早足で学校へ向かう。
ーー確かこの時間帯だった…、、
“彼”と出会ったのは。
「一ノ瀬~〜っ!!」
でかい声とその名前に反応する。
「おぉ、 おはよう!!」
黒い短い髪に、
皆より頭半個くらい飛び出ていて、
みんなの注目をあびている、
イケメンな彼は……
【一ノ瀬 冬也】(いちのせ とうや)。
私の、片思いの相手だ。