*片想い*



HRも終わり、

入学式と言うコトもあって今日は終わるのが早い。



私が荷物をまとめて帰ろうとしていると、


クラス分けの時一緒に教室まで来た子と目が合った。





一瞬、見つめ合うような形になったが


その数秒後、その子は私の近くまで来てくれた。




「そう言えば、自己紹介してなかった!」





HRで自己紹介はしたはずだが、


この子は1人眠たそうに頭を揺らしていたから聞いていなかったのかも…。






それに、自己紹介は面と向かって言うのが一番だよね!







私は彼女の言った言葉にたいして、

答えるようにして話かけた。






「そう言えばそうだったねっ!



私の名前は、津田 真尋って言うの。


男みたいな名前だけど、


れっきとした女です!!」





毎回自己紹介するたびに言われるコト。




《ーー男の子みたいな名前だねーー》






……そう、言われるのが嫌で、


先に言ってやった。







そう言うと、なぜか彼女は嬉しそうな顔をした。






「奇遇だねっ!、



私の名前も男みたいな名前だよ!


佐々木 真琴って言うんだ!!」






……ビックリした。



同じような人が、いま目の前にいる。



彼女もきっと名前のコトでからかわれたことがあるだろうに、



気にもしていない感じだった。







「私たち、仲間だね!!」





その言葉には、温かみがあった。





「私これから、


津田さんのコト、【ヒロ】って呼んでいい?



私のコトは、【マコト】って呼んで!! 」






「うん、わかった!


よろしくね、マコト!! 」




「よろしくね、ヒロッ!! 」






ーーーあははははははっ!




バカなやり取りに笑ってしまった。




マコトとは、今日から行き帰りを共にするコトになった。





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