*片想い*



ーーその次の日ーー




私は、まだ教科書もノートを入っていないスカスカの登校カバンを肩にかついで、


昨日マコトと約束した場所へと向かった。




新しい友達との最初の、


“待ち合わせ”



ーーは、緊張と嬉しさが混ざっていて、



そのせいで、集合時間より20分速くついてしまった。





浮かれすぎかな、私………。





と思っていたところ、、






「あっ、おはよーーー!! 」




集合場所には、マコトが立っていた。



ーーえっ?


うそ、私遅れちゃった??




確かに、20分前なのだが、混乱してしまう。





「……はっ、早いねぇぇ、待たせちゃったかな?」





「ううん、全然っ!!


今さっき来たところ。」







マコトはそう言うが、たいていが、


《今さっき来たところ》と言う人は、

結構早くに来ているのだ。





もう少し、急いでくればよかったな…。





ちょっと、気まづい空気になりながらも、私たちは学校に向かった。





「それでね、

私たちの中学にはイケメンが2人いてね、


1人が、運動神経バツグンで、

1人が、勉強の特待生で入ってきたの!」





ヘぇ〜……。


マコトの学校にはそんな人たちがいたんだ…。




「まぁ、周りはその2人がいいかもしんないけど、
私はそんなに好きじゃないな…。



私は、どんな人も内面が重要だと思ってるの……。」





マコトは、明るい性格で誰にでも声をかけて、
とても優しい子だった。


そんな子は、性格もいいんだなと知った。






「ーーでも、


そんな人たちがいるなら、

少し見てみたいよねっ!」





「あー、たぶん会えると思うよ?」





「えっ?

なんで⁇」






「だって、《悲鳴》聞こえるし。」






「悲鳴っっ⁈」





私たちの歩いているところには、


悲鳴なんか聞こえていないはずなのだが、



マコトは聞こえると言う。




「ほら、もっと耳をひそめてみ!


女子の気持ち悪いオーラ出てるから。」






私はマコトに言われた通り、


喋るのをやめ、

耳をピクつかせ、

目をつむり、




精神を整えた。


ーーーすると……、








「「「「「キャーーーーーーーーーーーーーーー!! 」」」」






「ーーっ!?」





ゆっくりだけど、



桃色の【歓声】(悲鳴?)が聞こえた。







「これって………。」







「今さっき話した、2人の二次被害よ。」




「に、二次被害って…。」



まるで、2人が災害のようにマコトは言う。




「だって、ホントのコトよ。


あの2人は、私にとって災害よ。」





今日のコトで、マコトがその2人が嫌いなコトがよくわかった。













< 9 / 14 >

この作品をシェア

pagetop