*片想い*
ーーその次の日ーー
私は、まだ教科書もノートを入っていないスカスカの登校カバンを肩にかついで、
昨日マコトと約束した場所へと向かった。
新しい友達との最初の、
“待ち合わせ”
ーーは、緊張と嬉しさが混ざっていて、
そのせいで、集合時間より20分速くついてしまった。
浮かれすぎかな、私………。
と思っていたところ、、
「あっ、おはよーーー!! 」
集合場所には、マコトが立っていた。
ーーえっ?
うそ、私遅れちゃった??
確かに、20分前なのだが、混乱してしまう。
「……はっ、早いねぇぇ、待たせちゃったかな?」
「ううん、全然っ!!
今さっき来たところ。」
マコトはそう言うが、たいていが、
《今さっき来たところ》と言う人は、
結構早くに来ているのだ。
もう少し、急いでくればよかったな…。
ちょっと、気まづい空気になりながらも、私たちは学校に向かった。
「それでね、
私たちの中学にはイケメンが2人いてね、
1人が、運動神経バツグンで、
1人が、勉強の特待生で入ってきたの!」
ヘぇ〜……。
マコトの学校にはそんな人たちがいたんだ…。
「まぁ、周りはその2人がいいかもしんないけど、
私はそんなに好きじゃないな…。
私は、どんな人も内面が重要だと思ってるの……。」
マコトは、明るい性格で誰にでも声をかけて、
とても優しい子だった。
そんな子は、性格もいいんだなと知った。
「ーーでも、
そんな人たちがいるなら、
少し見てみたいよねっ!」
「あー、たぶん会えると思うよ?」
「えっ?
なんで⁇」
「だって、《悲鳴》聞こえるし。」
「悲鳴っっ⁈」
私たちの歩いているところには、
悲鳴なんか聞こえていないはずなのだが、
マコトは聞こえると言う。
「ほら、もっと耳をひそめてみ!
女子の気持ち悪いオーラ出てるから。」
私はマコトに言われた通り、
喋るのをやめ、
耳をピクつかせ、
目をつむり、
精神を整えた。
ーーーすると……、
「「「「「キャーーーーーーーーーーーーーーー!! 」」」」
「ーーっ!?」
ゆっくりだけど、
桃色の【歓声】(悲鳴?)が聞こえた。
「これって………。」
「今さっき話した、2人の二次被害よ。」
「に、二次被害って…。」
まるで、2人が災害のようにマコトは言う。
「だって、ホントのコトよ。
あの2人は、私にとって災害よ。」
今日のコトで、マコトがその2人が嫌いなコトがよくわかった。