ホップ・ステップ・飛び膝蹴り
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3年生が引退した夏。
新しいメンバーでの練習試合があった。
探り探りといった雰囲気で、全体的にぎこちない。
それはマネージャー同士も同じで。
あたしなんか特に、まだ1年生だし上手くやれないことの方が多かった。
パイプ椅子を運んで、ドリンクの用意、ボールを倉庫から出して得点板も。
相手校のマネージャーと協力してはいるも、やっぱ少しは気だってつかうしやりにくい。
なんとか試合が無事終了しても、今度はおしぼりやジュースを配ったり。
あたしは口が悪いし、足ぐせも最悪だから、あまり部員と馴染めずにいた。
それもあって、仕事が落ち着いた時、体育館からひとりそっと抜け出した。
見えるけど目立たない体育館の外の段差に座りこむ。
生ぬるくも、強めの風は中よりずっと気持ちいい。
崩れつつあるポニーテールが揺れているのを感じて、目を閉じた時。
コン、と頭にひんやりとした固いものが乗せられた。
「うぇっ⁈」
慌てて顔を上げれば、同じく1年生の部員……佐野の姿。