蟲狩り少女
床はピカピカに磨かれていてスリッパをはくと少し滑るくらいだった。


男性に案内されて通された先は2階の一番奥の部屋だった。


畳12畳ほどの部屋で、真ん中には大きな四角いテーブルが置かれている。


大きな窓もあって、そこから外を見ると海と山と空を一望できた。


男性はお風呂や食事の時間などを説明してくれると、笑顔のまま部屋を出て行った。


「いい部屋だね」


あたしは窓の外の景色を見てそう言った。


「でしょう? 事前に夕花ちゃんのお母さんに連絡をとって、どこの部屋がいいか教えてもらって、この部屋を指定したの」


自慢そうにそう言うお母さん。


そういえば夕花ちゃんの知り合いが経営しているんだっけ。
< 117 / 289 >

この作品をシェア

pagetop