蟲狩り少女
☆☆☆

教室へ入るともう数名の生徒たちが登校して来ていた。


リカちゃんの席は教室の丁度真ん中だ。


つまり、真ん中くらいの成績ということ。


あたしはリカちゃんと教室の真ん中で別れて、自分の席へと向かった。


そこで嫌でも目に入るのは光磨の姿。


光磨はいつも学校に来るのが早くて、そのくせいつでも机に突っ伏して眠っている。


そんなに眠いのなら家でゆっくりしてくればいいのに。


別に光磨が悪い事をしているワケではないけれど、あたしはそう思ってイライラするのだ。


……ううん。


本当は違う。


夏休みにカミングアウトされてから、あたしはいつでも光磨へ対してイライラしている。
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