蟲狩り少女
「よかったね」


フッと肩の力を抜いてそう呟いた。


「あたしたちも、教室に戻ろうよ」


そう言い、歩き始める。


瞬間……。


視界の端で光磨の体がグラリと揺れた。


え?


驚いて立ち止まる。


光磨はそのままコンクリーとの屋上に倒れ込んでしまった。


「光磨!?」


すぐにしゃがみ込み、その体に触れる。


少し触れてもわかるくらい光磨の体は熱を帯びていた。
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